二酸化炭素+α

ゲームに関するいろいろ

君はBattleriteを知っているか

 初めにはっきり言おう。これはV Risingの人気に乗じたBattleriteの宣伝である。

 Battlerite。
それは今話題のゲーム、V Risingを制作したStunlock Studiosの過去作である。
2v2もしくは3v3で行うPvP系のアリーナ格闘ゲームというジャンルに分類される。
売上本数が100万本を超えたV Rising、そのスタジオが作成したゲームがつまらないことがあるだろうか?
もしもV RisingのPvPが好きで、常にあの戦闘感を味わいたいのであれば、是非プレイしてみる事をお勧めする。

 それは、MOBAからファーム要素を取り払ったゲームとよく形容される。
しかし、ゲーム性はMOBAとは違う。
コツコツファームしていたキャリーが、キルを稼いで育ったアサシンに瞬殺されるだけの試合になることはない。
レーンで経験値を吸われただの、ジャングルを回ってたらレーンが勝手に崩壊しただの、No Gank MID GG.だのといった馬鹿らしい言い争いもない。
普通の暴言はあった。

 また、構成に縛られることもない。回復役はいなくてもいいし、近接3体だろうが、遠隔3体だろうが勝つことができる。
どんな時でも自分の好きなキャラを使い続けていい。

 プレイにややこしい説明も必要ない。
タワーも、中立クリープも、ドラゴンもバロンもロシャンもルーンも存在しない。
無限にも思えるビルドや、素材アイテムを揃えてからの複雑な進化アイテム派生もない。
試合中は色々なことを考えず、目の前の敵を倒すことだけを目標に戦えばいい。


 それは、試合の形式が格闘ゲームに近い。
通常はラウンド制のBO5で、一試合は10分程度で気軽にプレイができる。
もしラウンドを落としても、次のラウンドでは全てリセットされて再開できる。
短い時間で手軽に出来るのが初心者にも優しいゲームだ。

 しかし、格闘ゲームとは違い、練習の必要な要素が殆ど無い。
コンボもなければ目押しもない。
必要なのは純粋な集団戦スキルである。立ち位置、スキルの使い方、スキルショット精度、すべては連携と個人技に掛かっている。
ただ、そこに対人ゲームの終わらない読み合いと深さが潜んでいた。

 また、逆転要素が無情な程ない。
少しずつ削ったHPを、Vトリガーで2コンボの内に逆転される心配もない。
1対多になれば逆転は絶望的な程に難しい。
逆に言えば理不尽な負けは無く、実力が上回っているのならば常に勝ち続けることが出来る。

 コマ投げもない。


 そしてそれは、今は終わってしまったゲームである。
現在のプレイ人口は200人ほど。

 そのゲームは初心者救済を許さない故に衰退していったように思う。
バトロワのように、初心者でも弱った敵を漁夫で倒してドン勝、という喜びはなかなか得難い。
負ける人は負け続けるのがこのゲームの無情な点だった。
人が少ないからこそ差は大きく立ちはだかり、更に人が減るという悪循環が起きていた。

 そのゲームには派手さが無かった故に興味を惹かれなかったのではないか。プレイしていてもそう感じた。
細々としたスキルの差し合いがメインであり、花が無いので盛り上がり所や爽快感に欠ける。
重要なオブジェクトと言えるものが殆どなく、見ているものにはどんな攻防がされているのか分かりにくい。
youtubeで動画を見てみても、これのどこが面白いのかと思うはずだ。
だが、やってみると夢中になれる。そんなゲームなのである。

 現在、Battleriteは開発を中止したものの、現在は基本無料であり、プライベートなカスタムを誰でも自由に作成することが出来る。
だからもし、あなたがV Risingをプレイしていて少しでも興味を持ってもらえたのなら、まずはV Risingをプレイする友人と一緒に、少し触ってみてはもらえないだろうか。
きっと同じ実力者同士でやれば、このゲームの面白さを正しく理解してもらえると思う。

そして、Battleriteについて感想をツイートでもしてもらえたら、それだけでも満足である。
あわよくば、Battleriteが再びマッチングが快適なほど流行ってほしい。
あわよくば、Battlerite 2の発売を期待している。いっそのこと中身が同じで2を出しても今なら話題になると思う。
あわよくば、……
あわよくば、……